2009年6月6日土曜日





VANCE OR TOWERS / VANCE OR TOWERS

GLEN VANCEとMICHAEL TOWERSという
おそらく無名の二人による
アコースティック・ポップ・デュオ・VANCE OR TOWERSの
A&Mから75年にリリースされた唯一のアルバム。
まずはジャケットを見てとても惹かれるものがあった。
ルックス的にもティーネイジのファンがつきそうな
二枚目風なルックスでどこかコミカルな表ジャケット。
裏ジャケを見れば笑みが
やや引き攣ったものに変わっており
バック・ミラーにおかしなものが写ってて。。
SANFORD AND TOWNSENDの
"DUO GLIDE"ってアルバムも
ちょうどこんな感じの裏表のコミカルなジャケットで
それ以外にもたくさん思い浮かぶジャケットは出てきそう。
だけどこのデュオに関してはほかに"まつわる話"がとてもおもしろく、
その点ではほかに類を見ないかもしれない。。

内容的には英国の影響濃いポップさが強く感じられる。
EMITT RHODESを思わせる
メロディとヴォーカルまたは声質、
それとPILOT風のコーラスの重ね方が
ニッチな英国ポップを彷彿させる。
二人とも経歴はさっぱりわからずじまいで、
録音にかかわったミュージシャン、プロデューサーともに
無名なもので英国出身かとも思ってしまった、
おそらくUSなんだろうけども。

このアルバムからはシングル・カットが2曲。
"SCREAM BLOODY RUBBERY"と
"DO WHATEVER WE WANT"。
ともに軽快なパワー・ポップなロックン・ロール。
アルバムとしては"PRESENCE OF HER ABSENCE"などの
ストレートなポップ・ソングに聞こえる
ひねりを効かせたメロディックな楽曲が
このアルバムの大きな魅力になっているようだ。

しかしYOUTUBEやネット上で登場するのは
"EDUCATION BLUES"という曲。
初期STEVEN KINGの代表作・76年の
センセーショナルなホラー映画・"CARRIE"の中で
そのハイライトに
プロム(卒業パーティー)・バンドとして出演して
その曲をを演奏しているからだ。
どうやらアルバムのバージョンは
映画のと別バージョンのようだけれども
どういった経緯で出演したのかとても不思議な気がする。
前述のシングル曲のタイトルや、
ジャケットのコミカルだけれど
オカルトなオチも含め
なにやらとてもミステリアスな部分が出ている。

ちなみに76年にプロモのみで
シングルが一枚リリースされたらしい。
曲はCARPENTERS・76年のヒットで知られる
"CAN'T SMILE WITHOUT YOU"。
A&Mが2匹目のドジョウを狙ったと思われるシングルは
結局ヒット以前にリリースもされず、
2年後の78年にARISTAでBARRY MANILOWが
大ヒットを飛ばすことになった。

のこされたすべての情報がとてもニッチなお二人は
中身の音楽を聴かずしてもとても楽しませてくれる。
しかし内容もインパクトはやや薄いものの
よくつくられた良質なポップ・アルバム。
多くのヒトに"知ってもらいたい"
じゃなくて"聴いてもらいたい"レコードです。

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